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営業部門におけるDXとは?実現するためのポイントや導入する流れを解説

2024.08.21

営業におけるDXとは、営業活動のデジタル化や自動化を目指すことです。

本記事では、営業DXの推進が求められている理由や、営業DXですべきこと、推進するときのポイントをご紹介します。

そのほか、営業DXを導入する手順もお伝えするので、営業活動を見直したい場合やデジタル化を積極的に取り入れたい場合ぜひ参考にしてください。

営業DXとは?

営業DXとは、営業活動においてデジタル技術を活用し、業務の効率化や生産性向上、顧客体験の向上を目指す取り組みのことです。

コロナ禍以降、対面での商談が難しい状況で、オンラインでの商談やWeb会議ツールの活用が増えています。

なぜ営業部門にDXが求められているのか?

ここでは、営業部門にDXが求められている理由を4つご紹介します。

1. 非対面でも営業活動ができるから

近年、特にパンデミックの影響で対面での営業活動が制限されることが増えました。

この状況で、多くの企業は非対面でも顧客との接点を持ち、営業活動を継続する必要に迫られました。

さらに、顧客のニーズも変化し、物理的に営業担当者と会わなくても、情報を迅速に入手したり、サービスを受けたりすることを期待するようになっています。

また、非対面での営業活動は、物理的な移動が不要になるため、出張費や移動時間の削減が可能です。

オンラインツールを使えば、同時に複数の顧客にアプローチすることもできるため、効率的に営業活動を行えます。

2. 顧客はインターネットで情報を得られるから

かつては、製品やサービスの情報を得るために、顧客は営業担当者に頼るのが一般的でした。

しかし、インターネットの普及により、顧客は自分で製品情報やレビュー、比較情報を簡単に検索できるようになっています。

そのため、顧客が営業担当者に接触する時点で、すでに多くの情報を持ち、自分なりの判断をしているケースが多いと考えられるでしょう。

また、インターネット上には無数の情報が存在し、顧客はさまざまな選択肢を比較できるので、企業は競争の中で埋もれないように、差別化された価値を提供する必要があります。

DXを通じて、顧客に対してより個別化された提案や、他社にはない価値を提供することが重要となります。

3. 集約データから見込み客のニーズが予測できるから

従来の営業活動では、営業担当者が個別の顧客とのやり取りや経験に基づいて、顧客のニーズを把握し、提案を行っていました。

しかし、これには主観的な判断が入りやすく、見込み客を正確に捉えるのが難しい場合もありました。

DXを通じてデータを集約・分析することで、営業活動がデータドリブンなものになり、より精度の高い戦略が立てられるようになります。

また、企業は顧客から得られるさまざまなデータを集約して分析することで、見込み客のニーズや行動パターンの予測が可能です。

例えば、特定の製品ページを頻繁に閲覧している見込み客に対して、関連するオファーや提案をタイムリーに行えるようになるでしょう。

4. 生産性の向上が求められるから

現代のビジネス環境では、競争が激しく、限られたリソースで最大の成果を上げることが求められます。

営業部門においても、効率的に営業活動を行い、より少ないリソースでより多くの顧客を獲得する必要があります。

DXを活用することで、業務の自動化やデータの活用を通じて、生産性を大幅に向上させることが可能です。

例えば、CRMシステムを活用して顧客情報を自動的に管理・更新したり、RPAを導入して見積書や契約書の作成を自動化できます。

これにより、営業担当者は定型的な業務に費やす時間を減らし、より付加価値の高い活動に集中できる環境を整えられるでしょう。

営業DXですべきこととは?

ここでは、営業DXですべきことを3つご紹介します。

1. 営業支援システムを導入する

営業支援システムを導入することで、営業プロセス全体が可視化され、チーム全体で共通のプロセスに従って活動を行えます。

これにより、営業活動のバラつきが減り、標準化された手順に従って効率的に営業が進行するようになるでしょう。

また、各担当者がどの段階でどのような活動を行っているかが明確になるため、進捗状況の把握や改善点の特定が容易になります。

営業支援システムでは、顧客情報、過去の商談履歴、連絡先、契約情報など、営業に関わるすべてのデータが一元管理されます。

営業担当者は必要な情報にすぐにアクセスできて時間の無駄が減少したり、データが常に最新の状態に保たれるため正確な情報に基づいて意思決定を行ったりできるでしょう。

2. オンラインでリードを獲得する

オンラインでリードを獲得するための第一歩は、デジタルマーケティング戦略の活用です。

これには、検索エンジン最適化、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、メールマーケティング、オンライン広告などが含まれます。

これらの手法を通じて、見込み客がオンラインで自社の製品やサービスに興味を持ち、問い合わせや資料請求などの行動を起こすように誘導します。

3. 営業活動をオンライン化する

従来の対面営業は、時間や場所に制約されることが多く、物理的な距離や移動の手間が営業活動の効率を低下させる場合がありました。

営業活動をオンライン化することで、これらの制約を克服し、どこからでも顧客とつながれるようになります。

ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールを活用すると、リモート環境からでも対面に近いコミュニケーションが実現でき、商談やプレゼンテーションを円滑に行える可能性があります。

営業DXを推進する時のポイント

ここでは、営業DXを進めるときのポイントを5つご紹介します。

1. 目的を明確にする

営業DXを推進する際に、まず明確にすべきことは「何を達成したいのか」という全体的な方向性です。

例えば、営業活動の効率化、顧客満足度の向上、新規顧客の獲得、売上の増加など、目的が明確であれば、それに向けた具体的な戦略や施策を立てやすくなります。

目的を定義すると、プロジェクト全体のガイドラインが設定され、リソース配分や優先順位が明確になります。

また、目的が明確であると、プロジェクトに関わる全員が同じゴールに向かって進めるでしょう。

営業DXは部門横断的な取り組みとなるケースが多いため、目的を全員で共有し、共通認識を持つのが重要です。

全員が同じビジョンを持っていることで、コミュニケーションが円滑になり、協力体制が強化されます。

2. 営業プロセスを可視化する

営業プロセスを可視化することで、営業活動全体の流れを一目で把握できるようになります。

たとえば、リードの獲得から顧客との初回接触、商談の進捗、契約締結までの各ステージが明確に示されます。

営業プロセスの全体像を把握できると、どの部分に時間がかかっているか、どのプロセスで問題が生じているかを特定しやすくなるでしょう。

また、営業プロセスが可視化されると、どのステージでボトルネックが発生しているかを迅速に発見できます。

たとえば、特定の段階で商談が停滞している場合、その原因を追求し、解決策を講じることが可能です。

問題の早期発見と解決は、営業活動全体の効率を高め、成果を向上させるために不可欠です。

3. 営業部門の体制の整備・見直しを行う

体制の評価を行う際、チーム構成、役割分担、業務プロセス、リソースの利用状況を分析し、どの部分に課題があるのかを特定しましょう。

業務の効率性、コミュニケーションの質、リソースの最適化、チームメンバーのスキルセットなどの課題を明確にすることで、どのような改善が必要かが見えてきます。

また、営業DXを進めるにあたって、役割と責任の再定義が重要です。

デジタルツールやプロセスの導入に伴い、従来の業務内容や役割が変わることがあります。

例えば、デジタルツールを使ったデータ分析やリード育成の役割が新たに加わる場合もあります。

必要に応じて各メンバーの役割を明確にし、それぞれの責任を再定義することで、チーム全体の効率性を向上させられるでしょう。

4. 適切なツールやシステムを選定する

ツールやシステムを選定する前に、営業チームのニーズを明確にすることが重要です。

現在の業務プロセスや課題、目指すべき成果などを把握し、それに基づいてどの機能が必要かを定義します。

例えば、リード管理、商談追跡、データ分析、コミュニケーションの効率化など、ニーズに応じた機能を持つツールを選ぶことが求められます。

また、ツールやシステムの使いやすさも重要な要素です。

複雑すぎるツールは、導入後に利用が困難になる可能性があります。

直感的に操作できるユーザーインターフェースや、カスタマイズ性の高いツールを選ぶことで、チームの受け入れやすさが向上するでしょう。

さらに、営業チームが既に使用している他のツールやシステムとの統合性も重要です。

新しいツールやシステムが既存のシステムと連携できるかを確認し、データの重複や手動でのデータ移行を避けるようにします。

例えば、CRMシステムがマーケティングツールや営業支援ツールと連携することで、データの一貫性を保ちつつ効率的に業務を進められるでしょう。

5. 分析と改善を繰り返し実施する

営業活動やパフォーマンスに関するデータを集めて分析することで、現状の把握や課題の特定が可能になります。

売上データ、商談の進捗状況、顧客のフィードバック、営業チームのパフォーマンス指標などのデータを基に、具体的な改善点を見つけ出します。

例えば、KPIを設定して定期的に評価することで、営業活動の効果を測定しましょう。

KPIは、目標達成度やパフォーマンスの指標となるもので、新規リードの獲得数や成約率などがあります。

これらの指標を定期的にチェックし、設定した目標に対してどの程度達成しているかを評価します。

また、分析結果を基に、営業プロセスや戦略における改善点を特定しましょう。

例えば、特定のステージでのリード転換率が低い場合、原因を追求して営業トレーニングの強化やプロセスの見直しを行います。

改善策を実施することで、営業プロセスの効率を高め、成果を向上させられるでしょう。

営業DXの体制を導入する流れ

ここでは、営業DXの体制を導入する流れを3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1. 現在の営業体制を見直す

まずは、現在の営業チームの構成、役割分担、業務プロセス、使用しているツールやシステム、現在の課題や問題点などを把握しましょう。

リード獲得から契約締結までの流れを明確にしたら、営業チームのパフォーマンス指標やKPIを評価します。

すでにツールやシステムを導入している場合は、現在使用しているツールやシステムの機能や効果を確認しましょう。

現状の体制から発見された課題や問題点を整理し、どの部分に改善の余地があるかを特定します。

例えば、リードの転換率が低い、商談の進捗が遅い、データの管理が不十分などが挙げられます。

ステップ2. 最終的な目標や体制をイメージする

現在の営業体制を把握したうえで、営業DXの最終的な目標を設定しましょう。

目標は、売上の増加、顧客満足度の向上、営業プロセスの効率化などが挙げられます。

また、目標達成のために必要な営業体制やプロセスを設計しましょう。

理想的なチーム構成、役割分担、営業プロセスの設計、使用するツールやシステムの要件定義が含まれます。

具体的には、どのような役割やスキルが必要か、効率的な営業プロセスはどのような流れか、どのようなテクノロジーが必要かなどを考えてみましょう。

ステップ3. 現状から最終系に近づくためのツールやシステムを探す

目標や理想的な体制に基づいて、最適なツールやシステムを調査します。

ツールやシステム探しでは、機能性や使いやすさ、統合性、費用対効果などのポイントに着目しながら見つけることがポイントです。

また、複数のツールやシステムの候補を比較し、ベンダーの評価を行います。

デモやトライアルを実施して実際の使用感やサポート体制を確認したり、既存の導入事例やユーザーレビューを参考にして信頼性やサポートの質を評価したりすると良いでしょう。

ツールやシステムを選定したら、導入計画を策定します。

スムーズな導入と定着を目指して、導入スケジュール、トレーニングの計画、データ移行の手順、導入後のサポート体制などを策定しましょう。

まとめ

営業DXは、営業活動の効率化と成果向上を目指すデジタル変革です。

営業部門にDXが求められる理由には、非対面での営業活動、顧客のインターネット利用、データによるニーズ予測、生産性向上があります。

営業DXを推進するためには、営業支援システムの導入、オンラインリード獲得、営業活動のオンライン化が必要です。

成功のポイントは、目的の明確化、営業プロセスの可視化、体制の整備、適切なツール選定、分析と改善の繰り返しです。

事前に営業DXの体制導入の流れを把握しておくことで、スムーズな営業活動の効率化と成果向上が期待できるでしょう。