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営業におけるDXの成功事例を紹介|メリットや成功するためのポイントとは?

2024.08.20

営業におけるDXとは、営業手法のデジタル化や自動化により、業務効率や顧客満足度の向上を目指すことです。

本記事では、営業DXに取り組んで成功した事例を5つご紹介します。

そのほか、営業DXを進めるメリットや成功するためのポイントもお伝えするので、営業活動を見直したい場合はぜひ参考にしてください。

営業におけるDXとは?

営業におけるDXとは、デジタル技術を活用して、営業プロセスや顧客体験を革新し、業務効率の向上や顧客満足度の向上を目指す取り組みです。

DXを営業に導入することで、従来の営業手法をデジタル化・自動化し、データ活用による意思決定の精度向上や、顧客ニーズに迅速に対応できるようになります。

営業DXのメリットとは?

ここでは、営業DXのメリットを3つご紹介します。

1. 業務の効率化を図れる

営業DXにより、営業活動の一部を自動化できるようになります。

例えば、見込み客リストの管理、メールの送信、フォローアップのスケジュール管理など、従来手動で行っていた業務をCRMシステムやマーケティングオートメーションツールで自動化することが可能です。

営業担当者は時間のかかるルーティン業務から解放され、商談や顧客対応といったより価値の高い業務に集中できます。

また、顧客情報や営業活動のデータが一元管理されるため、データの紛失や重複を防ぐことが可能です。

データがリアルタイムで更新され、必要なときにすぐアクセスできるため、営業担当者は正確で最新の情報を基に営業活動を進められます。

2. 業務やスキルの標準化が期待できる

営業DXの導入により、営業活動をデジタル化し、業務プロセスを統一できます。

例えば、CRMシステムや営業支援ツールを活用することで、見込み客の管理からフォローアップ、成約に至るまでの一連のプロセスの標準化が可能です。

これにより、担当者ごとに異なっていた営業手法が一貫性を持ち、誰が対応しても同じ水準のサービスや対応が提供されるようになります。

また、営業DXを通じて、営業活動で得た知識やノウハウをデジタルツール上に蓄積し、チーム全体で共有できます。

たとえば、優秀な営業担当者の成功事例や効果的なアプローチ方法をデータベース化することで、他の担当者がその知見を活用し、自分の営業活動に役立てられるでしょう。

その結果、営業スキルの継承がスムーズに行われ、チーム全体のスキルレベルを底上げすることが期待できます。

3. 課題解決に向き合うことができる

営業DXを導入すると、営業活動に関する詳細なデータを収集・分析することができます。これにより、どの段階でボトルネックが発生しているのか、どの施策が効果的であるかを明確に把握することが可能です。

データに基づく問題分析を行うと、課題の原因を正確に特定し、適切な対策を講じられるでしょう。

また、デジタルツールやCRMシステムを活用することで、営業プロセスのリアルタイムのモニタリングが可能になります。

これにより、問題が発生した場合に迅速に気づき、対応策を実施できます。例えば、営業パイプラインの進捗状況をリアルタイムで把握し、商談の遅延や予測の誤差を早期に修正できるでしょう。

営業DXを進める時のポイント

ここでは、営業DXを進める時のポイントを5つご紹介します。

1. 目的を明確にする

営業DXを進める際には、まずその目的を明確にすることが成功への第一歩です。

具体的な目標や達成したい成果を設定することで、DXのプロジェクトがより焦点を絞ったものになり、効果的に進められます。目的が曖昧だと、プロジェクトが進行する中で方向性を見失う可能性が高くなるでしょう。

目的を明確にするためには、まず自社のビジネスニーズを把握することが必要です。

たとえば、営業効率の向上、顧客満足度の改善、売上の増加など、何を解決したいのか、どのような結果を得たいのかを具体的に定義しましょう。これにより、DXの施策が自社のニーズに合致し、実際の業務に対してどのように貢献するかが明らかになります。

2. 営業プロセスを可視化する

営業プロセスを可視化することで、営業活動の全体像を把握できます。

具体的には、リードの獲得から契約締結までのリード管理、商談、提案、交渉、契約などの各ステップを明確にし、それぞれのプロセスで何が行われているかを可視化しましょう。

このプロセスの可視化により、どのステップでボトルネックが発生しているか、どこに改善の余地があるかを見つけやすくなり、業務効率の向上につながります。

また、各ステップのパフォーマンスを測定しやすくなります。

たとえば、リードから商談への進捗率、商談から契約への転換率など、具体的なデータを収集・分析することが可能です。

その結果、どの段階で成果が上がっているか、逆にどこで課題が発生しているかを把握し、データに基づいた意思決定や戦略の修正が可能になります。

3. DX化のための体制を整備する

まず、DX推進のための責任者を任命し、プロジェクトのビジョンや目標を明確にすることが重要です。任命されたリーダーは、DX戦略の策定から実行までをリードし、経営層とのコミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めます。

また、専任のチームを設置することが必要です。

専任チームは、営業部門のスタッフ、IT部門のエキスパート、外部コンサルタントなどで構成され、各メンバーが専門的な知識やスキルを持ってプロジェクトに貢献します。チーム内で役割分担を明確にし、効率的に業務を進める体制を整備しましょう。

営業DXプロジェクトは、計画的に進行させる必要があります。

プロジェクト管理ツールを使用して、スケジュールや予算、リソースの管理を行い、進捗を定期的に監視します。

問題が発生した場合は、迅速に対処し、計画の修正や調整を行いましょう。プロジェクトの進捗状況を可視化し、関係者全員が把握できるようにすることも重要です。

4. 適切な投資の意思決定を行う

適切な投資を行うためには、まず自社のビジネスニーズや課題を明確にすることが重要です。

営業プロセスのどの部分に改善が必要なのか、どのような目標を達成したいのかを具体的に把握します。これにより、必要なツールやシステムの機能、投資額の目安を把握しやすくなるでしょう。

投資の意思決定においては、ROIの評価が不可欠です。

導入予定の技術やツールがどの程度の効果をもたらすのか、コストに対する利益の見込みを詳細に分析します。具体的には、売上の増加、営業効率の改善、コスト削減など、期待される成果とその実現可能性を検討しましょう。

また、適切な投資を決定するためには、現市場の状況や競合の取り組みを調査し、自社の状況と比較することが重要です。

市場調査を行い、他社がどのようなツールや戦略を採用しているのかを把握することで、自社に適したソリューションや投資額の参考になるでしょう。

5. 導入後に改善を実施する

DXは単なるツールやシステムの導入に留まらず、継続的な改善と適応が求められるプロセスです。

営業現場で実際に使用する人々からのフィードバックを収集し、それをもとにシステムやプロセスを改善すると良いでしょう。現場の意見を反映することで、ツールがより実用的かつ効果的になります。

DX導入時には、初期設定やプロセスが完全に最適化されているわけではありません。使用状況を確認しながら、必要に応じて調整を行います。

また、ツールやシステムが進化する中で、営業チームのスキルも継続的に向上させる必要があります。新機能や改善点に対応するためのトレーニングを定期的に実施しましょう。

導入後は、設定したKPIを定期的にモニタリングし、目標達成度を確認します。期待通りの効果が得られていない場合は、データを分析して原因を特定し、改善策を講じましょう。

営業DXの成功事例

ここでは、営業DXの成功事例を5つご紹介します。

1. 富士通

富士通の営業DXでは、年功序列の撤廃をはじめ、ジョブ型制度という職務に応じて役割が決まる制度を導入しています。

また、ビジネスプロデューサー職という、顧客とともにビジネス創出を行う部門を創設しました。CRMやSFAに顧客情報を集約し、インサイドセールス部隊を立ち上げています。

これらの取り組みにより、営業職の業務減少を実現しました。

営業部門とエンジニア部門を結びつけることで、顧客に対してビジネスに踏み込めるような仕組みの導入に成功しています。

2. テスラ

電気自動車を手掛けるテスラの営業DXは、店舗を閉鎖してオンライン販売に移行するという内容です。

オンライン販売を行ううえで、購入前に試乗できない点が大きな課題となっていました。

しかし、購入7日以内、または走行距離1,600km以内であれば全額返金可能な仕組みを取り入れたことで、顧客が利用するハードルを一段と下げるのに成功しています。

オンラインサイトの動作の改善など、オンライン販売に大幅な投資を費やしたことで、営業DXを成功させているといえるでしょう。

3. NTT東日本

NTT東日本の営業DXでは、インサイドセールス部門を発足し、インサイドセールス部門のみで商談がクローズできる体制を整えています。

具体的には、細かく数値化して分析しながら、スタッフの教育や営業部との調節を実施しています。

営業DXにより、見込み顧客の獲得数を10倍、受注額を34倍に伸ばすことができました。

また、訪問営業をオンラインに切り替えただけでは成果は出にくいので、データをもとに見込み客の状態を見極めて、最適なアプローチをしていく手法に力を入れています。

4. LIFULL

LIFULLは、営業部のブラックボックス化の解消を目標に営業DXに取り組んでいます。

具体的には、インサイドセールスの導入、リモート営業ツールに夜営業活動のオンライン化を行いました。

業績アップなどの効果は見られなかったものの、営業DXの取り組みでさまざまな学びを得たとされています。

5. パナソニック

パナソニックの営業DXでは、顧客が抱えている課題に寄り添うビジネスを行ううえでの体制づくりに取り組んでいました。

具体的には、ステークホルダーをまたいだ方々のニーズの把握や、継続的なケアを行う仕組みを導入しています。

これまでは、顧客情報が社内外で分散管理されていたので、大規模な情報共有が難しい点が大きな課題でした。

そこで、イノベーションプログラムによるワークショップを開催し、ビジネス上のKPI改善を支える情報基盤の確立に成功しています。

さらに、1対複数のコミュニケーションにより、担当者への社内の相互サポートも実現しました。継続的な顧客価値創造に向けたビジネス体制を整備し、新たなチャレンジを実現するための基礎をつくりだしています。

まとめ

営業DXは、営業業務のデジタル化を通じて、業務の効率化やスキルの標準化、課題解決に寄与します。

成功するためには、目的を明確にし、営業プロセスを可視化することが重要です。

体制を整備し、適切な投資判断を行い、導入後には改善を実施することで、効果を最大化します。

成功事例としては、富士通やテスラなどがあり、これらの企業はDXを駆使して業務の効率化や競争力の向上を実現しています。