1. HOME
  2. ビジネスブログ
  3. システム構成図とは?サンプルの活用方法や初心者向けツールを紹介

システム構成図とは?サンプルの活用方法や初心者向けツールを紹介

2024.06.27

システム構成図は、システム全体の構成や仕組みなどを理解するための図です。

サンプルを活用することで、はじめてシステム構成図を作成する場合でも、スムーズにつくれるでしょう。

本記事では、システム構成図を作成するときのポイントやメリットをご紹介します。システムの構成図についての設計について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

下記の資料では、これからシステム開発を進める企業様向けに、弊社シースリーインデックスの制作事例から、制作過程やどのようなシステム開発が可能かをご紹介しております。気になる方はぜひ無料でダウンロードしてご活用くださいませ。

目次

システム構成図とは?

システム構成図は、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベースなど情報システムの各要素の構成や相互関係を視覚的に表した図です。

システム構成図を作成する目的は、さまざまです。

例えば、システムの各コンポーネントとその役割などを明確にすることを目的としている場合があれば、システムの設計や拡張などを計画する際の基礎資料として使用する場合もあります。

また、開発チームや関係者間でシステムの構成について共有し、コミュニケーションを円滑にするためにシステム構成図を用いるケースがあります。

システムの構成を文書として残し、メンテナンスやトラブルシューティングに役立てることも可能です。

システム構成図を作らずに開発はできる?

システム構成図は、作成しなければ開発できないというわけではありません。

しかし、システム構成図を作成しないと、さまざまなデメリットにつながる恐れがあります。

ここでは、システム構成図をつくらずに開発した場合に起こり得るデメリットを3つご紹介します。

1. システムが属人化する

システム構成図がない場合、システムのアーキテクチャや設計に関する知識が特定の開発者に集中しやすくなるでしょう。その結果、その人物がいないとシステムの維持・管理やトラブルシューティングが難しくなります。

新しいメンバーがプロジェクトに参加したり、既存のメンバーがプロジェクトを離れたりする際、システム構成図がないと知識の引き継ぎが困難になります。属人化が進むと、新しいメンバーがシステムを理解するのに時間がかかり、生産性が低下してしまうでしょう。

また、システムの構成や依存関係が明確でないと、システムの変更や新機能の追加がリスクの高い作業になります。誤って重要な部分に影響を与えてしまうリスクが増え、結果としてシステムの安定性が低下する恐れがあるので注意が必要です。

2. トラブルの追跡や修正が難しい

システム構成図がないと、システム内のどのコンポーネントが問題を引き起こしているのかを把握するのが難しくなります。

例えば、ある機能が正しく動作しない場合、その機能がどのコンポーネントやサービスに依存しているのかを理解するのに時間がかかり、トラブルの原因を特定するのが遅れてしまうでしょう。

トラブルが発生した際に、問題が他のどの部分に影響を及ぼすかを判断するのは容易ではありません。

システム構成図があれば、各コンポーネントの相互依存関係が明示されており、どの部分が問題の影響を受けているかを迅速に判断できます。しかし、構成図がない場合、影響範囲の特定に時間がかかり、修正作業が複雑化してしまいます。

また、問題を修正する際、システム全体の構成が不明確だと、修正が他の部分に新たな問題を引き起こすリスクが高まるでしょう。構成図があれば、修正が他のコンポーネントにどのような影響を与えるかを事前に評価しやすくなりますが、構成図がないと修正の影響を正確に予測するのが難しく、結果としてシステムの安定性を損なう恐れがあります。

3. 要件を満たしていないのに納品してしまう

システム構成図は、要件をシステムの各部分にどのように反映するかを視覚的に示す役割を果たします。

要件がどの部分に対応しているか、またその要件がシステム全体にどう影響するかが見えにくくなり、重要な要件を見落とすリスクが高まってしまうでしょう。そのため、満たすべき要件が実装されていないまま納品されてしまうことがあります。

システム構成図がないと、要件間の矛盾や不整合に気づくのが難しくなります。

例えば、ある機能が他の機能と矛盾している場合、その影響がシステム全体にどのように及ぶかを把握するのが困難です。そのため、矛盾が解決されないままシステムが構築され、要件を満たさない状態で納品される恐れがあります。

また、システム構成図がないと、システムの全体像や各コンポーネントの連携が不明確なため、統合テストが不十分になりがちです。

統合テストでは、システム全体が要件を満たしているかを確認する必要がありますが、構成図がないとテスト範囲が限定され、最終的にシステムが要件を満たしていない部分が見逃されるケースがあるでしょう。

システム構成図とその他の構成図との違い

ここでは、システム構成図とその他の構成図との違いについて、4つの項目に分けて解説します。

ネットワーク構成図

ネットワーク構成図は、特にネットワークの構造や接続状態を視覚的に表した図です。

全体像を示すシステム構成図とは異なり、ネットワークの詳細な構造や接続状態を示すため、より技術的で専門的な情報を含むことが多いです。

ネットワーク構成図には、ルーター、スイッチ、ファイアウォール、アクセスポイントなどのネットワーク機器の配置が示されています。

デバイス間の接続状態を視覚的に示し、どのデバイスがどのネットワークに接続されているか、どのように通信するかを明確にすることが主な目的でしょう。

また、LAN・VLAN・WANなどのネットワークセグメントやゾーンの配置、重要なIPアドレス・サブネット・ネットマスクなどの情報なども表示されているケースがあります。

これにより、冗長構成やロードバランサーの配置を示すことで、信頼性や可用性の確保方法を明確にする役割をはたします。

サーバー構成図

サーバー構成図は、サーバー環境の構成や相互関係を視覚的に表現した図です。

サーバー構成図には、物理サーバー・仮想サーバー・クラウドサーバーなどの配置、サーバー同士の通信経路や依存関係などが示されています。

そのほか、各サーバーで稼働している主要なOS・ミドルウェア・アプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアやサービス、CPU・メモリ・ストレージなどのリソースの配置や使用状況を示すケースもあります。

主な目的は、Webサーバー・アプリケーションサーバー・データベースサーバーなどの各サーバーの役割を明確にすることです。

アプリケーション構成図

アプリケーション構成図は、特定のアプリケーションシステムの内部構造や相互関係を視覚的に表現した図です。

アプリケーション構成図は、主にアプリケーションの各機能やモジュール、サービス、ライブラリなどの構成要素が示されています。

そのほか、各コンポーネント間の依存関係や通信経路、アプリケーション内でのデータの流れや処理の順序が示されているケースがあります。

使用されるプログラミング言語・フレームワーク・ライブラリ・ミドルウェアなど、システム構成図には記載されていない細かい部分まで記載されている場合もあるでしょう。

主な目的は、アプリケーションの設計、開発、デプロイメント、保守、トラブルシューティングなどでの使用です。

サービス構成図

サービス構成図は、Webサービス・マイクロサービス・APIなどの内部構造や相互関係を視覚的に表現した図です。

サービス構成図には、アプリケーション構成図のように、各サービス間の通信経路や依存関係、APIコールの流れなどが示されています。

そのほか、各サービスが使用するプログラミング言語、フレームワーク、ライブラリ、データベース、外部システムや他のサービスとのインタフェースまで細かく記載されている場合もあるでしょう。

システム構成図を作成するメリット

ここでは、システム構成図を作成するメリットを3つご紹介します。

1. スムーズに情報を共有できる

システム構成図は、システムの全体像を視覚的に表現します。テキストのみの説明よりも直感的に理解しやすくなるので、図を見ればシステムの構成要素やそれらの相互関係が一目でわかるでしょう。

誰でも理解できるシステム構成図を作成すれば、プロジェクトに携わる関係者間でスムーズに情報を共有できるようになります。

システム構成図を中心に据えることで、プロジェクトのドキュメントが一貫性を持ちやすくなります。全関係者が同じ図を参照することで、情報のズレや誤解が生じにくくなるでしょう。

また、新しいチームメンバーがプロジェクトに参加する際、システム構成図があれば、短時間でシステム全体の理解を深められます。

2. 効率的に問題を発見できる

システム構成図は、システム全体の構成要素とその相互関係を視覚的に示します。システム全体を俯瞰して見ることができ、どの部分に問題が生じているのかを迅速に特定しやすくなるでしょう。

各コンポーネントがどのように依存しているかが明確に示されていると、問題が発生した際にその影響範囲をすぐに把握できます。例えば、特定のサービスがダウンした場合、そのサービスに依存しているほかのコンポーネントやサービスも影響を受けることがすぐにわかります。

また、データがどのように流れているかを視覚的に示すことで、データの流れに関連する問題のスムーズな特定が可能です。例えば、データが特定のポイントで止まっている場合、その箇所を特定し、原因を突き止めるのが容易になるでしょう。

3. 追加要求に対して効率的に対応できる

システム構成図は、システム全体の構成要素を示しているので、どの部分に変更が必要か、どのような影響が生じるかを一目で把握できます。

新しい要求や機能追加に伴う変更が、システム全体にどのような影響を及ぼすかを事前に評価することも可能です。その結果、予期せぬ問題の発生を防ぎ、変更の影響範囲を明確にできるでしょう。

また、システム構成図を参照することで、追加要求に対する対応策を迅速に検討し決定できます。変更による影響やリスクを視覚的に確認できるため、効果的な意思決定を実現できます。

システム構成図を作成する際のポイント

ここでは、システム構成図を作成する際のポイントを6つご紹介します。

1. サンプルを活用する

既存のサンプル構成図は、業界で広く認められたベストプラクティスを反映している場合が多いです。サンプルを活用することで、自身のシステム構成図が標準的で信頼性の高いものになる可能性が高まるでしょう。

ゼロからシステム構成図を作成するよりも、サンプルを活用すると作業時間を大幅に短縮できるメリットがあります。特に、複雑なシステムの場合、サンプルを基に構成図をカスタマイズするほうが効率的であるケースがあります。

また、サンプルをもとに作成を進めると、初心者にとってはシステム構成図の作成方法や一般的な構成要素の配置について学べる良い機会となるでしょう。

2. 各要素の役割をわかりやすく書く

システム構成図を見た関係者が各要素の役割を即座に理解できるようにするために、各要素の役割をわかりやすく書くことがポイントです。

全体の構成や流れを把握する時間の短縮、新メンバーのシステムへの理解力の向上など、さまざまなメリットが得られるでしょう。

各要素の役割がわかりやすく記載されていると、問題が発生した場合に、どの要素がどの役割を果たしているかを確認し、原因の特定と対策が迅速に行える可能性が高まります。スムーズなリスクケアや回避にもつながるメリットもあるでしょう。

3. データと処理を書き分ける

データと処理を分けることで、各要素がどのような役割を果たしているかが明確になります。一般的には、データベースやストレージなどのデータを保持・管理する部分と、それを処理・操作する部分が区別されます。

データの流れと処理のフローが分かれて表示されることで、システム全体の動作や依存関係を一目で把握しやすくなるでしょう。

書き分ける際、データを示す部分には、データベース、ストレージ、キャッシュなどのアイコンやラベルを使って明確に表示します。例えば、データベースサーバーを示す部分には、DBとラベル付けすると良いでしょう。

処理を示す部分には、アプリケーションサーバー、APIゲートウェイ、バッチ処理などのアイコンやラベルを使って明確に表示します。例えば、アプリケーションサーバーを示す部分には、Appとラベル付けすると良いでしょう。

4. 制御と流れの表現を変える

システム構成図において、データや処理の流れを示すことで、システム内の操作や情報の流れが明確になります。

システム内には、異なる情報や操作の流れが存在することがあります。ユーザーからのリクエストを受け付ける流れと、バックエンドでのデータ処理の流れなどを区別することで、各部分の役割や関係性がより明確になるでしょう。

例えば、異なる種類の操作や情報の流れを区別するために、色分けや線のスタイルを使い分けることがおすすめです。ユーザーからのリクエストと内部サービス間の通信など、異なるフローに対して異なる色を割り当てると、見やすさと理解が向上します。

5. 更新頻度を決める

システム構成図は、現在のシステムの全体像を反映している必要があります。特に、システムが変更やアップグレードを経験した場合、図が古くなると、実際の状況と一致しなくなります。

そこで、更新頻度を決めておくと、システム構成図の正確さを維持できるでしょう。

更新されたシステム構成図は、新規メンバーや関係者がシステムを理解するための重要なリソースです。最新の情報を提供することで、システムの可用性と信頼性を高められるでしょう。

更新されたシステム構成図は、プロジェクトや運用のドキュメントとしても役立ちます。正確な情報を提供することで、問題解決や改善のための貴重なツールとして活用が可能です。

システム構成図の更新頻度は、システムに重要な変更やアップデートが行われた都度に行うと良いでしょう。例えば、新しいサービスやインフラの追加、変更があった場合には、即座に更新が必要です。

ただし、システム自体に更新がなくても、外部システムが参照する際にはシステム構成図を更新します。

6. セキュリティを考慮する

システム構成図にセキュリティの観点から目を向けることで、潜在的な脆弱性や攻撃の手口を特定しやすくなります。

例えば、セキュリティポリシーやアクセス制御の漏れ、ネットワークへの不正アクセス経路などが視覚的に明確になります。

セキュリティを考慮したシステム構成図は、重要なインフラストラクチャやデータフローを可視化してリスクを最小化できるでしょう。適切な対策を講じることができ、セキュリティ攻撃やデータ漏洩のリスクを軽減するメリットにつながります。

セキュリティを考慮する際、データフローの中で、重要なデータや通信が暗号化されているかどうかを示しましょう。例えば、データベースとアプリケーションサーバー間の通信がSSLやTLSで保護されているかを図示し、セキュリティを強化することが大切です。

システム構成図の書き方

ここでは、システム構成図の書き方を3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1. システムの全体像を簡単に決めておく

システム構成図を作成する最初のステップは、システムの全体像を簡潔に決めることです。

これには、システムが何をするのか、どのような主要なコンポーネントや機能が必要かを大まかに決定することが含まれます。

全体像を把握することで、システム構成図にどの要素を含めるべきかが明確になるでしょう。

具体的には、何を達成するシステムなのか、システムを構成する主要な要素は何か、各コンポーネントがどのように連携して動作するのかを理解することが大切です。

ステップ2. イラストやアイコンを使う

システム構成図を作成する際には、イラストやアイコンを効果的に使用します。

これにより、視覚的にわかりやすく、複雑な情報を簡単に伝えることができます。

具体的には、サーバー、データベース、ネットワーク、ユーザーなどの標準的なアイコンを使って、各コンポーネントを表現しましょう。

コンポーネントの種類や役割に応じて色を分けることで、図の視認性を高めます。

また、コンポーネント間の通信やデータフローを示すために矢印や線を使うことで、データの流れやプロセスの順序が明確になります。

ステップ3. 別紙に詳細をまとめる

システム構成図自体は、システムの概要を視覚的に示すために簡潔に作成することが重要です。

しかし、図だけでは伝えきれない詳細な情報は別紙にまとめます。

具体的には、図で示された各コンポーネントの役割や機能の詳細、コンポーネント間の通信に使用されるプロトコルやデータ形式、APIの仕様、各コンポーネントが他のコンポーネントや外部システムに依存している場合の詳細などです。

別紙に詳細をまとめることで、システム構成図をシンプルかつわかりやすく保ちながら、必要な技術的詳細も補完できます。

システム構成図を作成した時の失敗例

ここでは、システム構成図を作成した時の失敗例を2つご紹介します。

ケース1. 情報が不足していて理解しにくい

情報が不足しているシステム構成図では、システム全体の構造が明確に表現されていないため、どのように各コンポーネントが連携しているのかを把握するのが難しくなるでしょう。

例えば、サーバー、データベース、ネットワーク機器、クライアントデバイスなどがどのように接続され、相互にデータをやり取りしているのかが曖昧になると、システムの全体像が理解しづらくなります。

各コンポーネントがどのような役割を果たしているか、どのような機能を提供しているかが不明瞭な場合、システム構成図は実際に役立つ情報を提供できません。

図にはコンポーネントの名称が記載されているが、そのコンポーネントがどのような処理を行っているのかが説明されていないとき、参照者はその意図を理解できず、適切な判断ができなくなります。

また、システム構成図にデータフローや通信経路が適切に示されていないと、どのコンポーネントがどのように通信しているのか、データがどのように流れるのかが理解しにくいです。

データベースへのアクセス経路や、APIコールの流れが不明瞭だと、トラブルシューティングや最適化が困難になります。

ケース2. 細かく記載されすぎてわかりにくい

システム構成図があまりにも細かく描かれていると、全体の構造を把握することが難しいです。

各コンポーネントやプロセスが詳細に記載されている場合、全体の流れやシステムの基本的なアーキテクチャを理解するのに時間がかかり、全体像を一目で把握するのが困難です。

その結果、システムの主要な部分や重要な関係性が埋もれてしまうケースがあります。

細かい情報が過剰に含まれたシステム構成図は、図自体が視覚的に複雑になり、見る人にとって混乱を引き起こします。

例えば、多数の線や矢印が交錯し、複数のコンポーネントやデータフローが密集していると、どこに注目すべきかが不明確になり、重要な部分が見逃されやすくなるでしょう。

また、システム構成図に細かい情報が詰め込まれていると、どの情報が重要であるかを判断するのが難しくなります。

全ての情報が同じレベルで詳細に描かれていると、システムの設計や運用において特に重要なコンポーネントや関係性が他の情報に埋もれてしまい、適切な意思決定ができなくなる場合があるでしょう。

システム構成図を作成した後の注意点

ここでは、システム構成図を作成したあとの注意点を2つご紹介します。

1. 更新頻度やバージョンの管理方法などのルールを決めておく

システム構成図は、システムの設計や運用における現状を反映したドキュメントであるため、システムに変更があった際には速やかに更新する必要があります。

更新頻度のルールを決めておくと、構成図が常に最新の情報を反映していることを保証します。具体的な更新頻度は、主要なシステム変更後、四半期ごとや半年ごとなどさまざまです。

また、バージョン管理には、バージョン番号の付与、変更履歴の記録、バージョン管理ツールの活用などいくつかの方法があります。

更新頻度やバージョン管理のルールは、関係者全員に周知し、徹底することが重要です。

チーム全体でこれらのルールを共有して遵守することで、システム構成図の一貫性と信頼性を保てるでしょう。

新しいメンバーが参加した際にも、これらのルールを迅速に理解し、適用できるようにすることが必要です。

2. 誰に共有するのかを明確にしておく

システム構成図は、関係者によって求められる情報が異なるため、誰に共有するのかを明確にすることで、図の内容をカスタマイズできます。

具体的には、開発者や運用チーム、プロジェクトマネージャー、クライアントやビジネス担当者などの関係者が挙げられます。システム構成図の情報が必要な方々が誰なのかを明確にし、作成後はしっかり共有しましょう。

また、関係者ごとに適切な共有方法を選定することで、構成図の利用効率を高められます。

構成図をドキュメント管理システムやプロジェクト管理ツールにアップロードして共有すると、関係者はいつでも最新の図にアクセスできるようになります。

定期的なレビュー会議やワークショップでシステム構成図を共有すると、図に対する理解を共有しながらその場で疑問点や改善点を話し合うことが可能です。

特定の変更やアップデートがあった場合には、メールやチームコラボレーションツールを通じて、関係者に最新の構成図を配信することもおすすめです。

【初心者向け】システム構成図の作成におすすめのツール10選

ここでは、システム構成図の作成におすすめのツールを10個ご紹介します。

1. CaCoo

CaCooは、オンラインで利用可能なダイアグラム作成ツールです。Webブラウザを通じてアクセス可能なので、インストールする必要がありません。

初心者から上級者まで使いやすいインターフェースを提供し、直感的な操作で図の作成や編集が行えます。ドラッグ&ドロップで要素を配置し、自由に接続して情報を整理できます。

また、複数のユーザーが同時に作業できるため、チームプロジェクトでの共同作業が容易に行えるでしょう。変更履歴の管理やコメント機能も備えており、プロジェクトや情報の共有などを円滑に進めたい場合におすすめです。

CaCooでは、サンプルが豊富に用意されており、さまざまな用途に応じてカスタマイズできます。

利用料金は、月契約が660円〜、年契約が6,600円〜です。個人で利用するか、複数ユーザーで利用するかで料金が異なります。

参考:https://cacoo.com/ja/home

2. Draw.io

Draw.ioは、オープンソースのウェブベースの図面作成ツールです。誰でも無料で利用できるので、多くのユーザーが利用しやすくなっています。

システム構成図以外に、フローチャート、ネットワーク図、組織図、プロセス図、UML図、エレクトリカル図など、さまざまな種類の図面を作成できます。操作方法も比較的簡単で、初心者でも使いやすいです。

完成した図面をPNG・JPEG・PDFなどのさまざまな形式でエクスポートできるので、ほかのツールやドキュメントに簡単に統合できます。

参考:https://app.diagrams.net/?lang=ja

3. Cloudcraft

Cloudcraftは、クラウドインフラストラクチャの設計や可視化を行うための専門ツールです。

主にAWSのサービスやリソースを直感的に可視化するためのツールであり、図示化されたインフラストラクチャはリアルタイムで更新されます。

ドラッグ&ドロップでAWSのリソースを配置し、接続することができる直感的なインターフェースを提供している点が魅力です。

また、AWSのベストプラクティスに基づいたサンプルや、さまざまなシナリオに対応した機能が提供されています。例えば、セキュリティグループの設定や可用性ゾーンの分散など、AWS環境での最適な設計が可能です。

利用料金のプランは、無料プラン、月額49ドル〜の有料プランの2種類に分けられています。シンプルな構成図の作成であれば、無料プランで完結するケースが多いです。

参考:https://www.cloudcraft.co/

4. lucid chart

lucid chartは、AmazonやGoogleなどの大手企業が使用している作図・資料作成サービスです。

資料の作成、情報共有、業務フロー可視化などをこのグループウェアで実現できます。

クラウドベースのプラットフォームと直感的なインターフェイスが特徴的で、デバイスやシステムに関係なく、手軽に図や資料の作成が可能です。

また、リアルタイムの共同編集やビジネスチャット機能、資料や図へのコメント追加や共有など、チームワークをサポートし業務効率化を実現するための機能も備わっています。

利用料金は、チームプランが1,325円/ユーザー、企業プランが要問い合わせです。

参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/visio/flowchart-software

5. EdrawMax

EdrawMaxは、EdrawSoftが提供するマルチプラットフォーム対応の図面作成ソフトウェアです。

Windows、Mac、Linuxなどさまざまなオペレーティングシステムで利用可能です。オンライン版も提供されており、インターネットブラウザからアクセスして使用することもできます。

また、多彩な図形、スタイル、テーマを提供し、ユーザーが独自の図を作成できるように設計されています。サンプルや例として提供されるものも多岐にわたり、ユーザーのニーズに応じた図の作成をサポートしている点が特徴です。

利用料金は、無料プランと有料プランに分かれています。有料プランは、個人だと年額9,800円〜、チームだと年額13,800円〜です。

参考:https://www.edrawsoft.com/jp/ad/edrawmax-brand.html?gad_source=1&gclid=CjwKCAjw-O6zBhASEiwAOHeGxeD_fNS4i0u-rqvXA-JQZznr6SZEWfjUvHI0KDfB6vlWPGyN3uuXTxoC_FcQAvD_BwE

6. Microsoft Visio

Microsoft Visioは、Microsoft社が提供しているツールです。Officeスイートとの親和性がある点が特徴です。

テンプレートが豊富に用意されているので、はじめてシステム構成図を作成する場合でも理想的な図をつくれます。

図形整列や配置機能が備わっており、テンプレートを活かしながらカスタマイズしたい場合に適しています。

参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/visio/flowchart-software

7. Lucidchart

Lucidchartは、ドラッグ&ドロップで簡単にシステム構成図を作成できるツールです。

日本語での利用が可能で、AWS、Azure、GCP、Ciscoなどに特化したテンプレートが揃っているので、さまざまな業種でのシステム開発に使用されています。

また、初心者だけではなく、エンジニアやネットワーク設計者にとっても利用しやすく便利な機能が備わっているので、利用する方のレベルを問わず誰にとっても利用しやすいといえます。

参考:https://www.lucidchart.com/pages/ja

8. Miro

Miroは、さまざまなクラウドサービスに対応したテンプレートを用意しているツールです。

数クリックでシステム構成図を作成でき、直感的に操作できる点が魅力です。利便性が高いので、特別なトレーニングなしで使うことができます。

また、依存確認を確認する機能、トラブルシューティングを効率的に実行できる情報共有機能などを備えており、さまざまな規模のシステム開発で活用できるでしょう。

参考:https://miro.com/ja/

9. gliffy

gliffyは、1,800万以上のユーザー獲得を誇っているシステム構成図作成ツールです。

これまでのフィードバックをもとに、使いやすいかつ機能性の高さに力を入れており、大手企業で利用された実績が多いです。

マウス操作のみでシステム構成図を作成でき、ツール内でそのまま図を共有することができます。特に、複数のメンバーでシステム構成図を作成する場合におすすめです。

参考:https://www.ricksoft.jp/atlassian/gliffy/

10. Google Cloud Architecture DiagrammingTool

Google Cloud Architecture DiagrammingToolは、Google社が提供しているツールです。

Google社では、これまでにシステム開発のノウハウを培っており、それらの豊富なフィードバックを活かして使いやすいツールの開発に至っています。

テンプレートを使用してシステム構成図を作成すれば、難しい操作なしでサクサクと作成を進められます。フリートライアルも利用できるので、試しに利用してみたいという方でも気軽に導入しやすいでしょう。

参考:https://cloud.google.com/blog/topics/developers-practitioners/introducing-google-cloud-architecture-diagramming-tool?hl=en

まとめ

システム構成図は、複雑なシステムの要素や相互関係を図示化することで、全体像を理解しやすくする図表です。

ネットワーク構成図やサーバー構成図、アプリケーション構成図、サービス構成図などがわかりやすく1つにまとめられた構成図と理解しておくと良いでしょう。

システム構成図を作成することで、情報共有のスムーズさ、問題の効率的な発見、追加要求への効率的な対応などのメリットが得られます。

作成時のポイントとして、サンプル活用、要素の役割明確化、データと処理の分離、制御と流れの表現変更、更新頻度の決定、セキュリティ考慮が重要です。

使いやすさや機能性で評価が高いさまざまなシステム構成図の作成ツールがあるので、はじめて図表を作成する場合はぜひ活用してみると良いでしょう。

システムの全体像を理解しやすくするための構成図を設計する際は、まずはシステムの制作過程や流れ、どんなシステムが開発できるかといった事例を参考にするのがおすすめです。

下記の資料では、これからシステム開発を進める企業様向けに、弊社シースリーインデックスの制作事例から、制作過程やどのようなシステム開発が可能かをご紹介しております。気になる方はぜひ無料でダウンロードしてご活用くださいませ。