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Microsoft Azureとは?サービス一覧や料金体系をわかりやすく解説

2024.06.26

Microsoft AzureはMicrosoftが提供するクラウドサービスであり、何ができるのか気になる方がいるのではないでしょうか。

本記事では、Microsoft Azureの代表的なサービスと利用するメリットをご紹介します。

そのほか、Microsoft Azureを利用するデメリットや料金体系をお伝えするので、利用を考えている場合はぜひ参考にしてください。

Microsoft Azureとは?

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドコンピューティングサービスのプラットフォームです。

世界中のデータセンターを通じて提供され、多様なサービスとツールを用いて、企業や開発者がアプリケーションの開発、デプロイ、管理を行うことが可能です。

また、多層的なセキュリティ対策とコンプライアンス認証を提供し、データ保護と規制遵守をサポートします。Azure Security CenterやAzure Active Directoryなどのセキュリティサービスも利用できます。

Microsoft Azureの具体的な活用例は、仮想マシンとインフラストラクチャーの管理、Webアプリケーションのホスティング、データストレージとデータベース、ビッグデータ処理と分析、セキュリティとアイデンティティ管理などが挙げられます。

Microsoft Azureの代表的なサービス一覧

ここでは、Microsoft Azureの代表的なサービスを8つご紹介します。

1. Azure Portal

Azure Portalは、Microsoft Azureのクラウドリソースを管理するためのWebベースのインターフェースです。

Azureのさまざまなサービスを一元的に管理できるプラットフォームであり、グラフィカルなユーザーインターフェースを提供することで、ユーザーはコマンドラインやAPIを使用せずにリソースを簡単に操作できます。

例えば、ユーザーは、自分のニーズに合わせてカスタマイズ可能なダッシュボードの作成が可能です。そのため、頻繁に使用するリソースや重要なメトリクスを一目で確認できるでしょう。

2. Azure DevOps

Azure DevOpsは、Microsoftが提供するクラウドベースのDevOpsツールセットであり、ソフトウェアの開発、デプロイ、運用を支援するための一連のサービスを提供しています。

Azure DevOpsは、開発チームが一貫して高品質なソフトウェアを迅速にリリースするための包括的なソリューションを提供します。

DevOpsを導入することで、コードのテストやデプロイの作業を自動化でき、小規模な開発サイクルを繰り返し行いやすくなります。その結果、サービスの変更やリリースに迅速に対応できるようになります。また、同じ理由で、テストやデプロイの過程でのヒューマンエラーを防ぐことができる点も利点です。

具体的なソリューションは、作業項目、バックログ、スプリント、カンバンボード、スクラムボードなどを提供しているAzure Boardsや、Gitリポジトリを提供し、ソースコードのバージョン管理を行うAzure Reposなどです。

そのほか、Azure Pipelinesは継続的インテグレーション(CI)および継続的デリバリー(CD)を実現するためのビルドとリリースパイプラインを提供し、Azure Test Plansは手動テストと探索的テストをサポートするテスト管理ツールを提供します。

3. Azure Active Directory

Azure Active Directoryは、Microsoftが提供するクラウドベースのディレクトリおよびアイデンティティ管理サービスです。

具体的な使い方としては、各種クラウドサービスのアカウント認証情報(IDやパスワードなど)を一元管理することで、IT管理者の作業負担を軽減できます。

ユーザーとアプリケーションの認証および認可を行うためのサービスを提供し、オンプレミスのActive Directoryと統合することで、ハイブリッド環境でも利用可能です。

ユーザーは、一度のサインオンで複数のクラウドアプリケーションやオンプレミスアプリケーションにアクセスできるようになります。そのため、ユーザーの利便性が向上し、パスワード管理の手間が減少するでしょう。

また、多要素認証やアクセス管理、レポートと監査などにより、システムのセキュリティをより一層高められると考えられます。

4. Azure Functions

Azure Functionsは、Microsoft Azureが提供するサーバーレスコンピューティングサービスです。

開発者がインフラストラクチャ管理を意識せずに、コードに集中してアプリケーションロジックを構築できる環境を提供します。イベント駆動型のサービスであり、特定のイベントが発生したときに関数が自動的に実行されます。

それにより、開発者はサーバーをほとんど意識せずにWebサービスを構築することが可能となります。このような仕組みをサーバーレスと呼び、サーバーの設定やリソース管理をAzureが自動で行うため、ユーザーがサーバー管理をする必要がないケースが多いです。

具体的なイベントとは、HTTPリクエスト、タイマー、キュー、データベース変更、サービスバスメッセージなどです。

また、インフラストラクチャ管理やサーバーのプロビジョニングが不要で、Azureが自動的にリソースをスケーリングします。ユーザーはコードの実行時間に基づいて料金を支払うため、コスト効率が高まるといえます。

5. Azure Virtual Machines

Azure Virtual Machinesは、Microsoft Azureが提供するオンデマンドのスケーラブルなコンピューティングリソースです。

Azure Virtual Machine Scale Setsは、アプリケーションとリソースを自動で管理するサービスであり、これにより負荷に応じてVMインスタンスの数を自動で調整したり、Azureロードバランサーを自動で作成するため、手動作業に比べてコストを大幅に削減でき、人為的なミスも防止できるでしょう。

Azure Virtual Machinesの主な用途は次の通りです。

・開発およびテスト環境のサーバー
・アプリケーションのデプロイや動作検証環境
・ミドルウェア(Webサーバーやアプリケーションサーバーなど)の実行環境
・既存OSのバックアップ

Azure Virtual Machinesでは、コンピューティング、メモリ、ストレージの要件に応じて、異なるサイズとタイプの仮想マシンの選択が可能です。これには、汎用VM、コンピューティング最適化VM、メモリ最適化VM、ストレージ最適化VM、GPU最適化VMなどがあります。

6. Azure AI

Azure AIは、Microsoft Azureが提供する一連の人工知能サービスとツールの総称です。AIサービスは、開発者やデータサイエンティストがAIおよび機械学習モデルを簡単に作成、トレーニング、デプロイできるように設計されています。

例えば、自然言語処理、コンピュータービジョン、音声認識、機械学習など、さまざまなAI機能を提供し、企業や開発者がインテリジェントなアプリケーションを構築するのをサポートします。

音声認識によるコマンド入力、音声合成による応答など、音声インターフェースを提供するアプリケーションを開発したい場合などにおすすめです。

7. Azure Storage

Azure Storageは、Microsoft Azureが提供するクラウドベースのストレージサービスの総称で、データの保存・アクセス・管理をスケーラブルかつ安全に行えるよう設計されています。

Azure Storageは、さまざまなデータストレージニーズに対応する複数のストレージソリューションを提供しています。

大量のデータをスケーラブルに保存可能で、アプリケーションの需要に応じて自動的にスケールアップまたはスケールダウンが可能です。

8. Azure Information Protection

Azure Information Protectionは、Microsoft Azureが提供するクラウドベースのセキュリティサービスです。

企業がドキュメントや電子メールなどの機密情報を分類、ラベル付け、および保護するためのツールを提供します。データの漏洩や不正アクセスから機密情報を守ることが目的です。

情報の機密度に応じて、ドキュメントや電子メールにラベルを付けることができます。そのため、情報の重要性を視覚的に識別しやすくなるでしょう。

また、ラベルに基づいて、暗号化や権限管理などの保護ポリシーを適用できます。例えば、特定のラベルが付いた文書は閲覧のみ許可し、編集や転送を制限することが可能です。

Microsoft Azureを利用するメリット

ここでは、Microsoft Azureを利用するメリットを3つご紹介します。

1. Windows関連製品と連携できる

Azure ADは、オンプレミスのActive Directoryと統合することで、ユーザー認証とアクセス管理の統一が可能です。これにより、ユーザーはシングルサインオンを利用して、クラウドアプリケーションとオンプレミスアプリケーションの両方にシームレスにアクセスできます。

社内のWindowsデスクトップ環境からOffice 365やAzureサービスにシングルサインオンでアクセスすることが可能です。

また、Windows Server環境をAzureに拡張することで、ハイブリッドクラウドソリューションを実現できます。そのため、オンプレミスのWindows ServerをAzureのクラウドリソースと連携させられる点が特徴です。

例えば、オンプレミスのファイルサーバーをAzure Filesと同期させる、バックアップやディザスタリカバリをAzure上で行うなどの場合に便利です。

2. 対応しているOSや言語の種類が豊富である

Microsoft Azureは、さまざまなオペレーティングシステム(OS)やプログラミング言語に対応しています。そのため、開発者や企業が自身のニーズや要件に合わせた環境を選択し、柔軟にアプリケーションを構築・展開できるようになっています。

Windows Serverのさまざまなバージョンをサポートしており、例えばWindows Server 2019やWindows Server 2022などを仮想マシンとして展開が可能です。これにより、Windowsベースのアプリケーションやサービスを継続して、Microsoft Azure上で運用できます。

また、開発者や企業は、自分たちの技術スタックや既存のシステムに応じて最適なOSを選択できるようになるでしょう。そのため、既存のインフラストラクチャやアプリケーションをMicrosoft Azureに移行する際の適応が容易になります。

3. 日本の法律が適用される

Microsoft Azureは、日本のデータセンターを含むグローバルなインフラストラクチャを提供していますが、そのデータセンター内で処理されるデータは日本国内の法律に従うことができます。

日本国内のデータセンターを利用すると、個人情報保護法や金融商品取引法、特定商取引法などの日本の法律に基づく規制や要件を満たしやすくなるでしょう。

また、データが日本国内に保存されることで、日本国内のプライバシー保護法や個人情報保護法に基づくデータの安全性が確保されます。特に、個人情報や機密情報を取り扱う企業にとって重要な要素となるでしょう。

Microsoft Azureを利用する企業は、Microsoftが提供する契約条件や法的要件に基づくリーガルサポートを得ることができます。Microsoftは日本において法務チームを持ち、日本の法的要件に関するコンプライアンスをサポートしています。

Microsoft Azureを利用するデメリット

Microsoft Azureを利用するメリットがいくつかある一方で、デメリットもいくつかあるので把握しておきましょう。

Microsoft Azureの複雑な料金体系やサービスごとの料金設定が、理解しにくい場合があります。特に、リソースの利用量や使用されたサービスによって料金が変動するため、予算管理が難しいケースがあるでしょう。

設定や管理が適切でない場合、不必要なリソースの使用によりコストがかさむ恐れがあります。

また、複数のサービスや管理ツールを利用する場合は、それぞれの運用やトラブルシューティングに対応するスキルが必要です。

データのセキュリティやコンプライアンスに関する責任は、利用者側にあります。そのため、適切なセキュリティ対策やコンプライアンス要件を理解し、実施する必要があるでしょう。

Microsoft Azureの料金体系

Microsoft Azureの料金体系は非常に多様であり、サービスやリソースの種類によって異なる料金が適用されます。

例えば、従量課金モデルは、実際に利用したリソースに応じて料金が請求される方式です。具体的な使用量に応じて料金が決まり、月単位で請求されます。

仮想マシン、ストレージ、データベース、ネットワークなど、ほとんどのAzureサービスがこのモデルに従います。リソースの使用状況に応じて柔軟に課金されるため、変動するニーズに対応しやすい点がメリットです。

また、リザーブドインスタンスは、1年間または3年間の契約期間で、特定の仮想マシンやデータベースなどのリソースを予約することで、割引料金を適用するモデルです。

長期間安定して利用されるリソースに対して適用されます。特に予算管理を重視する場合や、安定した使用量が予測できる場合に適しています。

Microsoft Azureでは、新規ユーザーに対して無料のサービス枠や試用期間を提供しています。一部のサービスや特定の条件下で提供される場合があるので、把握しておきましょう。

まとめ

Microsoft Azureは、マイクロソフトが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームで、多数のサービスを提供しています。

代表的なサービスには、管理ポータルのAzure Portal、開発者向けのAzure DevOps、認証やアクセス管理のAzure Active Directoryなどがあります。

利用メリットとしては、Windows製品との統合、多様なOSや言語のサポート、日本の法律順守などが挙げられるでしょう。

一方で、複雑な料金体系や運用の難しさがデメリットとして考えられるので、注意点も把握した上で活用すると良いでしょう。