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AWS RDSとは?利用目的・料金体系や接続方法をわかりやすく解説

2024.06.25

AWS RDS (Amazon Relational Database Service) は、AWS(Amazon Web Services )が提供しているリレーショナルデータベースサービスです。

本記事では、AWS RDSを利用するメリットやデメリット、料金体系をご紹介します。

そのほか、AWS RDSのDBエンジンの種類や接続方法もお伝えするので、AWS RDSの利用を検討している場合はぜひ参考にしてください。

AWS RDSとは?

AWS RDSは、AWSが提供するフルマネージド型のリレーショナルデータベースサービスです。

AWS RDSは、データベースのインフラストラクチャ管理を自動化します。これには、ハードウェアのプロビジョニング、データベースの設定、パッチ適用、バックアップ、自動リカバリが含まれます。

必要に応じて、データベースのストレージやコンピューティングリソースを簡単にスケールアップまたはスケールダウンすることが可能です。

また、マルチAZデプロイメントオプションを提供しており、高可用性を確保します。自動バックアップやスナップショットを活用して、データの耐久性の確保を実現できるでしょう。

AWS RDSを利用するメリット

ここでは、AWS RDSを利用するメリットを3つご紹介します。

1. コストの最適化

オンプレミスでデータベースを構築する場合、高価なハードウェア購入、ソフトウェアライセンス費用、およびデータセンターの運用コストが発生します。

AWS RDSでは、これらの初期投資が不要で、必要な分だけのリソースを利用するため、初期費用を大幅に削減できる可能性があるでしょう。

需要に応じてデータベースのリソースをスケールアップまたはスケールダウンできるので、必要なリソースだけを使用することで、無駄なコストの削減が期待できます。

また、AWS RDSは自動バックアップ機能を提供しており、これによって手動でのバックアップ管理やリソースの削減が可能です。その結果、障害発生時のリカバリに要するコストとダウンタイムを最小限に抑えられるでしょう。

AWS RDSでは、プロビジョンドIOPS(PIOPS)を利用することで、必要なI/O性能を確保しつつ、ストレージの利用効率を最大化できます。これにより、高性能が求められるアプリケーションでも、最適なコストで運用が可能です。

2. データベースに求められる要件への対応が容易

AWS RDSは、データベースインスタンスを複数のアベイラビリティゾーンにレプリケートするマルチAZデプロイメントをサポートしています。これにより、ハードウェア障害やAZの障害が発生しても、自動的にフェイルオーバーしてダウンタイムを最小限に抑えられます。

定期的な自動バックアップとポイントインタイムリカバリ機能により、データの損失を防ぎ、迅速なリカバリが可能です。

また、データベースインスタンスのコンピューティングリソースやストレージ容量を必要に応じて、スケールアップまたはスケールダウンすることができます。そのため、アプリケーションの成長や季節的な負荷変動に柔軟に対応が可能です。

3. データベースインフラの運用管理の手間を削減

AWS RDSでは、データベースのプロビジョニングが自動化されており、数クリックでデータベースインスタンスを作成できます。ハードウェアの選定やセットアップの手間がかからない点がメリットです。

AWS RDSは、設定に基づいて自動的にデータベースのバックアップを作成します。これにより、バックアップスケジュールの管理や手動バックアップの作業が不要になります。

バックアップはAmazon S3に保存され、データの信頼性と可用性が確保されるので安心です。

また、AWS RDSには、データベースエンジンのパッチ適用やアップグレードを自動的に実行する機能があります。そのため、常に最新のセキュリティ更新や機能強化が適用され、手動の更新作業が不要になります。

AWS RDSは、Amazon CloudWatchと統合されており、CPU使用率、メモリ使用量、ディスクI/Oなどのメトリクスを自動的にモニタリングします。異常値が検出された場合、アラートを設定しておくことで、迅速な対応が可能です。

AWS RDSを利用するデメリット

ここでは、AWS RDSを利用するデメリットを3つご紹介します。

1. 利用者側はOSにログインできない

AWS RDSでは、データベースインスタンスがAWSによって管理されているため、利用者はデータベースが稼働しているオペレーティングシステム(OS)に直接ログインすることはできません。

特定のワークロードやパフォーマンス要件に基づいて、OSレベルでのチューニングや設定変更が必要な場合があります。例えば、カーネルパラメータの調整やカスタムソフトウェアのインストールなどの操作は制限されるため、細かな最適化ができない場合があるでしょう。

AWS RDSでは、データベースエンジンのログや一部のシステムログにアクセスすることは可能ですが、OSレベルのログにアクセスできません。そのため、複雑なトラブルシューティングや診断が必要な場合に、情報が不足するケースがあります。

また、特定のトラブルシューティングやメンテナンス作業のためにカスタムスクリプトを実行することができません。例えば、ディスクのヘルスチェックやカスタムログ解析スクリプトを実行するためにOSアクセスが必要な場合がありますが、これが制限されてしまうでしょう。

2. カスタマイズに制限がある

AWS RDSでは、データベースの基盤となるオペレーティングシステム(OS)に直接アクセスできません。そのため、OSレベルの設定やカスタマイズができず、特定のパフォーマンスチューニングやカーネルパラメータの調整が制限されてしまいます。

データベースパフォーマンスや特定のアプリケーション要件に基づいて、ファイルディスクリプタの数やTCP接続のタイムアウト設定などを調整する必要がある場合があります。しかし、AWS RDSではこれが不可能です。

また、特定のモニタリングツールやデータベースエージェント、セキュリティソフトウェアなどをインストールすることができません。独自のツールを利用したい場合や既存のインフラストラクチャと統合したい場合は、制約が生じてしまいます。

3. 古いバージョンのサポートが終了する恐れがある

AWSは、セキュリティやパフォーマンスの向上、新機能の追加を目的として定期的にデータベースエンジンのバージョンを更新しています。これに伴い、古いバージョンのサポートが終了することがあるでしょう。

サポート終了後は、セキュリティパッチやバグ修正が提供されなくなり、脆弱性が残る可能性があります。

また、AWSは、サポートが終了したバージョンの利用者に対して、自動的に新しいバージョンへのアップグレードを実施する場合があります。そのため、計画外のアップグレードが発生し、アプリケーションの互換性や動作に影響を与える可能性があるでしょう。

利用者は、AWSからの通知を受け取り、計画的にアップグレードを行う必要があります。しかし、リソースや時間が必要となり、運用負荷が増大するでしょう。

AWS RDSの料金体系

ここでは、AWS RDSの料金体系について2つの項目に分けて解説します。

インスタンス料金

AWS RDSのインスタンス料金は、データベースインスタンスが稼働している時間に対して課金されます。

AWS RDSでは、さまざまなインスタンスタイプが提供されており、それぞれ異なる料金が設定されている点が特徴です。インスタンスタイプは、CPU、メモリ、ネットワーク性能などのリソースに基づいて異なります。

一般的なインスタンスタイプには、汎用目的、メモリ最適化目的、高メモリ、ハイパフォーマンスなど、目的別にさまざまな種類があります。各インスタンスタイプには、さまざまなサイズがあり、サイズが大きくなるほどCPUやメモリが増加し、それに伴って料金も高くなるでしょう。

また、料金モデルには、オンデマンド料金とリザーブドインスタンス料金の2種類があります。

オンデマンド料金は、インスタンスを必要なときに必要なだけ使用し、時間単位で課金されるモデルです。初期費用なしで利用開始でき、使用した分だけ支払うため、短期間の利用や予測不能なワークロードに適しています。

リザーブドインスタンス料金は、1年または3年の利用期間を前払いすることで、オンデマンド料金に比べて大幅な割引を受けられるモデルです。長期間の使用が確実な場合、コスト削減に有効です。

最も割引率が高い全額前払い、一部を前払いし残りを期間中に支払う部分前払い、割引は少ないが期間中に毎月支払う前払いなしから選べます。

ストレージ料金

AWS RDSでは、ストレージタイプによって料金が異なります。

汎用(SSD)ストレージは、コストとパフォーマンスのバランスが取れており、さまざまなワークロードに適しています。

プロビジョンドIOPS(SSD)ストレージは、高いI/Oスループットが求められるワークロードに最適です。必要なIOPS(Input/Output Operations Per Second)をプロビジョンすることができます。

マグネティックストレージは、旧来のハードディスクドライブ(HDD)ベースのストレージです。低コストですが、性能は他のストレージタイプに劣ります。

また、RDSは自動バックアップ機能を提供しており、ストレージに対してデフォルトで7日間のバックアップを保持します。データベースインスタンスのプロビジョニングサイズ分のバックアップストレージは無料で提供されますが、それを超えるバックアップストレージは課金対象となるでしょう。

データベースインスタンスが停止している間も、プロビジョニングされているストレージ容量に対して課金が発生します。停止中もデータは保持され、ストレージ使用料が継続して課金されるでしょう。

Amazon RDSのDBエンジンの種類

Amazon RDSのDBエンジンには、さまざまな種類のものがあります。

MySQLはオープンソースであり、広く普及しているリレーショナルデータベース管理システムです。MySQLコミュニティが活発で、多くの拡張機能やツールが利用可能です。

ACID準拠のトランザクション処理をサポートし、高い信頼性とデータ整合性を提供します。Webアプリケーション、eコマースプラットフォーム、コンテンツ管理システムなど、幅広いアプリケーションに適しています。

PostgreSQLもオープンソースで、高度な機能と拡張性が特徴です。JSON、XML、GISなどの高度なデータ型をサポートし、多様なデータ処理に対応します。

データウェアハウス、GISアプリケーション、IoTプラットフォームなど、高度なデータ処理が求められる場面で活用されます。

Oracleは大規模な企業向けに設計されており、高いパフォーマンスとセキュリティを提供するものです。大規模なデータベースアプリケーションに適しており、複雑なデータモデルやストアドプロシージャが必要な場面で強みを発揮します。

Microsoft SQL Serverは、Windowsプラットフォームとの統合が深く、Microsoftのエコシステムを利用することが可能です。データウェアハウス、ビジネスインテリジェンス、アナリティクスなどのエンタープライズ向け機能を豊富に提供します。

AuroraはAmazon RDSのマネージドサービスとして、AWSに最適化された高性能で可用性の高いデータベースエンジンです。MySQL互換版とPostgreSQL互換版が提供されており、それぞれの利点を兼ね備えています。

Amazon RDS Proxyは、データベース接続の管理と拡張性の向上を目的としたマネージドプロキシサービスです。データベースコネクションのプーリングにより、アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。

AWS RDSの接続方法3つ

ここでは、AWS RDSの接続方法を3つご紹介します。

1. AWSマネジメントコンソール

AWSマネジメントコンソールを使用すると、AWS RDSインスタンスに対して直接アクセスし、管理タスクの実行が可能です。

まず、AWSアカウントにログインして、AWSマネジメントコンソールにアクセスします。AWS RDSを管理したいリージョンを選択したら、AWSマネジメントコンソールのトップページにサービスの一覧が表示されます。

もし表示されていない場合は、画面左上の「サービス」メニューから「RDS」を選択しましょう。

AWSマネジメントコンソールの左側のメニューから「RDS」を選択します。これにより、RDSのダッシュボードが表示されます。

RDSダッシュボードから、操作を行いたい対象のRDSインスタンスを選択したら、インスタンスをクリックしましょう。インスタンスの詳細が表示されたのを確認し、インスタンスの状態や構成をチェックします。

接続情報を確認したら、適切なクライアントツールを使用してRDSインスタンスに接続します。例えば、MySQL Workbench、pgAdmin、SQL Server Management Studio(SSMS)などのクライアントツールを使用して、エンドポイントとポートを指定し、必要な認証情報を入力すると接続が可能です。

2. コマンドラインインターフェイス

まず、AWS CLIがインストールされていることを確認します。インストールされていない場合は、AWS公式のインストールガイドに従ってインストールします。

また、AWS CLIを使用するためには、事前にAWSアカウントでの認証情報が設定されている必要があるでしょう。

ターミナルまたはコマンドプロンプトを開き、AWS CLIコマンドを使用してAWS RDSに接続します。具体的なコマンドは、使用するデータベースエンジンによって異なります。

3. Amazon RDS API

Amazon RDS APIを使用することで、プログラムやスクリプトを通じて AWS RDSに接続し、管理作業の自動化の実現が可能です。

Amazon RDS API は、AWSのサービスを管理・操作するためのプログラムインターフェースです。

インスタンスの作成・削除、パラメータグループやセキュリティグループの管理、バックアップや復元の実行、パフォーマンス監視と自動スケーリングの設定、インスタンスの起動・停止ができます。

Amazon RDS APIに接続するためには、AWS SDKや HTTP リクエストを使ってリクエストを送信します。

Amazon RDS APIを使用するには、AWS アカウントのアクセスキーとシークレットアクセスキーが必要です。

まとめ

AWS RDSは、クラウド上でリレーショナルデータベースを提供するマネージドサービスです。

コストの最適化、簡易な要件への対応、運用管理の効率化が主な利点ですが、利用者はOSへの直接ログインができない、カスタマイズに制限がある、古いバージョンのサポートが終了するリスクがあります。

料金体系はインスタンス料金とストレージ料金で構成され、MySQL、PostgreSQL、SQL Serverなど複数のDBエンジンをサポートしています。

AWS RDSとの接続には、AWSマネジメントコンソール、コマンドラインインターフェース、Amazon RDS APIを用いて行いましょう。AWS RDSは使いやすさと柔軟性を両立し、多様なビジネスニーズに対応します。