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ハイブリッドアプリとは?開発事例やメリット&デメリットを解説

2023.08.16

アプリ開発を行う際、つくりたいアプリがどの種類に分類されているかを把握しているでしょうか。

アプリにはさまざまな種類がありますが、中でも注目されているのが「ハイブリッドアプリ」です。

しかし、ハイブリッドアプリと聞いて、どのようなアプリなのか、実際の開発事例が何なのかわからない方もいるでしょう。

そこで本記事では、ハイブリッドアプリについてほかのアプリとの違いや開発事例をご紹介します。

そのほか、ハイブリッドアプリを開発するメリットとデメリットもお伝えするので、ハイブリッドアプリの開発を検討している方はぜひ参考にしてください。

ハイブリッドアプリとは?

ハイブリッドアプリとは?

ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリとWebアプリの特徴を組み合わせたものです。具体的にはWebサイトを開発する技術で開発されたiOSアプリやAndoroidアプリを指します。

ちなみにネイティブアプリとは、iOSやAndroidなどの特定のプラットフォームで使えるアプリケーションです。Webアプリは、Webブラウザを介してアクセスされ、インターネット上で実行されるアプリケーションを指します。

ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリのようなユーザーエクスペリエンスと、Webアプリの柔軟性とクロスプラットフォーム対応の利点を持ちます。

ネイティブアプリのようにアプリストアからインストールでき、カメラや位置情報などのデバイスの機能にアクセスも可能です。

またWeb技術を使用するため、複数のプラットフォームで共有されるコードベースを持ち、比較的簡単に開発できる利点もあります。

ネイティブアプリとの違い

ハイブリッドアプリとネイティブアプリは、開発手法と特徴においていくつかの違いがあります。

ハイブリッドアプリの場合、Web技術を用いて開発され、プラットフォームに適応させるためにネイティブのコンテナで包まれます。

ネイティブアプリの場合、プラットフォーム固有の言語、またはiOSを使用して開発されるものです。プラットフォームの機能やAPIに直接アクセスします。

ハイブリッドアプリのパフォーマンスは、ネイティブアプリに比べて若干低くなる場合があるでしょう。一方でネイティブアプリは、プラットフォーム固有の言語とAPIを使用するため、高速で直感的なユーザーエクスペリエンスを提供し、ハードウェアの機能に最大限にアクセスできます。

またハイブリッドアプリは、Web技術を使用しているため、カメラや位置情報などのネイティブ機能へのアクセスが制限される場合があるでしょう。ネイティブアプリは、ネイティブ機能へのアクセスが最大限に可能であり、ユーザー体験を向上させるために幅広い機能が利用できます。

Webアプリとの違い

ハイブリッドアプリとWebアプリとでは、インストールやアクセス方法、ネイティブ機能へのアクセス、オフライン利用などに違いがあります。

ハイブリッドアプリは、ユーザーはアプリストアからインストールすることで、デバイス上にアイコンが表示されていつでもアクセスできます。Webアプリは、Webブラウザを使用してURLを入力するか、ブックマークやリンクを通じてアクセスが可能です。

ハイブリッドアプリの場合、カメラや位置情報、通知などのデバイスの機能へのアクセスが一部制限されてしまいます。Webアプリは、ハイブリッドアプリよりも利用できる機能が制限されてしまうため、スマホを使ったアプリには不向きです。

またハイブリッドアプリは、データをキャッシュしてオフライン状態で提供できる機能は一部です。しかしWebアプリは、オンライン状態でのみしか使用できません。

ハイブリッドアプリのメリット

ハイブリッドアプリのメリット

どのアプリを開発すべきかわからない方は、各アプリのメリットを把握しておくと良いでしょう。

ここでは、ハイブリッドアプリのメリットを3つご紹介します。

開発費用を抑えられる

ハイブリッドアプリは、Web技術を使用して開発するため、iOS、Androidなどなどの複数のプラットフォームで共有されるコードベースを持ちます。一度の開発で複数のプラットフォームに対応でき、開発リソースと時間の節約が可能です。

開発にかかる時間や労力を省くことで、開発費用を抑えられることにつながります。アプリストアへの登録や更新の手続きは、ネイティブアプリに比べて簡略化されることがあります。

デバイスならではの機能へアクセスできる

ハイブリッドアプリでは、ネイティブプラグインと呼ばれる拡張機能やライブラリを使用することで、デバイスの機能へのアクセスが可能です。カメラ、位置情報、通知、ストレージ、センサーなどのハードウェア機能をネイティブアプリと同様に利用できます。

ハイブリッドアプリは、Web技術を使用して開発されますが、プラットフォーム固有のAPIへのアクセスも可能です。ネイティブコードとWebコードの組み合わせにより、デバイスの機能やOSの特定の機能へのアクセスも実現できます。

またデバイスならではの機能を活用して、ユーザーエクスペリエンスの向上が図れます。たとえば、カメラを使用して写真を撮影して位置情報を取得し地図上に表示するなど、さまざまな活用方法が実現できるでしょう。

修正作業がスムーズに行える

ハイブリッドアプリは、複数のプラットフォームで共有されるコードベースを持ちます。これにより、バグ修正や機能のアップデートなどの修正作業を一度の修正で複数のプラットフォームに適用できます。個別のプラットフォームごとに修正を行う必要がないため、開発およびメンテナンスの効率が向上するでしょう。

ハイブリッドアプリの開発には、Web技術に関するスキルが必要です。多くの開発者がこれらのスキルを持っているため、既存のスキルを活用して修正作業に取り組むことができます。

またハイブリッドアプリでは、一度の修正で複数のプラットフォームに対応するため、テストの範囲も広がります。バグや問題の特定と修正が一元化されるため、テスト作業の効率の向上につながるでしょう。修正作業に伴うテストの手続きも簡略化され、スムーズに進められます。

ハイブリッドアプリのデメリット

ハイブリッドアプリのデメリット

ハイブリッドアプリを開発するときは、メリットだけではなくデメリットも把握しておきましょう。

ここでは、ハイブリッドアプリのデメリットを2つご紹介します。

ネイティブアプリより遅延が起こりやすい

ハイブリッドアプリは、Webブラウザ内で実行されるため、ネイティブアプリと比較してパフォーマンスに制約があります。特にグラフィックスやアニメーションの処理において、ネイティブアプリに比べて遅延が発生する恐れがあるでしょう。

ハイブリッドアプリは複数のプラットフォームに対応するために開発されますが、各プラットフォームには独自の制約や互換性の問題が存在します。特定のプラットフォームに最適化されたネイティブアプリと比較して、ハイブリッドアプリはすべてのプラットフォームで同じパフォーマンスを提供することが困難であり、遅延が発生する恐れがあると考えられます。

使えない機能がある

ハイブリッドアプリは、Web技術を使用して開発するため、ネイティブアプリが提供するすべての機能にアクセスすることはできません。特に高度なグラフィックスやハードウェア固有の機能に制限があることがあります。

ハイブリッドアプリは、iOS、Androidなどの複数のプラットフォームで動作するように開発されますが、各プラットフォームには互換性や機能の差異が存在します。ネイティブアプリのようにプラットフォームごとに最適化された機能やデザインを提供することが難しく、一部のプラットフォームでは特定の機能が使えない場合があるでしょう。

また新しいハードウェア機能やOSのアップデートに迅速に対応できるネイティブアプリと比べると、ハイブリッドアプリではWeb技術を使用しているため、新しい機能やAPIへのアクセスが遅れるケースがあります。新機能をサポートするためには、Webブラウザやフレームワークのアップデートを待つ必要があります。

下記の資料では、社内の業務システムを構築する際に選ばなければいけないオンプレミスかクラウドか、どちらが良いかをポイント別・費用感別に比較しながらそれぞれのタイプの向き・不向きの特徴を解説しております。

これから業務システムの開発や導入をお考えの企業様はぜひご参考ください。

ハイブリッドアプリの開発事例8つ

ハイブリッドアプリの開発事例8つ

どのようなハイブリッドアプリがあるのか知りたい方は、開発事例を参考にすると良いでしょう。

ここでは、ハイブリッドアプリの開発事例を8つご紹介します。

Gmail

Gmailは、Googleが提供する無料のWebメールサービスです。電子メールの送受信、メールの整理、検索、ラベル付け、迷惑メールフィルタリングなどのさまざまな機能を提供しています。

Gmailでは、デバイスの通知機能を使用して新着メールの通知を受け取ったり、カメラ機能を使用して写真やファイルを添付したりすることが可能です。

また、異なるデバイスや画面サイズに適応するためにレスポンシブデザインが採用されています。これにより、Webブラウザやモバイルアプリで一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できるようになります。

一部のオフライン機能も提供しているため、インターネット接続がない状況でもメールの閲覧や作成ができます。オフライン時に行った操作は、オンラインになった際に自動的に同期されます。

Amazon

Amazonは、さまざまな商品やサービスを提供している世界的なオンラインマーケットプレイスです。

Amazonでは、デバイスのカメラを使用してバーコードや商品画像をスキャンして商品の情報を取得できたり、位置情報を使って近くの配送場所や店舗を検索できたりします。

また異なるデバイスや画面サイズに適応するためにレスポンシブデザインが採用されているため、ユーザーはWebブラウザやモバイルアプリで一貫したショッピング体験を享受できます。

プッシュ通知やリアルタイム情報の提供も行っており、ユーザーは最新のセールやプロモーション情報を受け取ったり、注文状況や配送ステータスの更新をリアルタイムで確認したりすることが可能です。

ZOOM

ZOOMは、ビデオ会議やオンラインミーティングを実施するためのツールです。

ZOOMでは、主にビデオ会議機能を提供しています。リアルタイムで相手と顔を見ながらコミュニケーションが取れ、画面共有やチャット機能などのさまざまなコラボレーション機能も利用が可能です。

また、デバイスのカメラやマイクを使用してビデオや音声の入出力を行ったり、通知機能を使用してミーティングの開始や参加の案内を受け取ったりすることもできます。

クラウドワークス

クラウドワークスは、仕事の受注と発注を結ぶ場を提供しているオンデマンドのクラウドソーシングプラットフォームです。

クライアントとワーカーの間でのコミュニケーションをサポートしており、アプリを通じてメッセージのやり取りやファイルの共有や、仕事の進行状況を確認することができます。

また、クラウドワークスを通じて支払いや報酬の処理まで行えます。ただ報酬を受け取るだけではなく、支払い方法や報酬の振込先など、詳細まで管理が可能です。

Instagram

Instagramは、写真や動画を共有するソーシャルメディアプラットフォームです。

ユーザーははじめにプロフィールを作成して、プロフィール画像やユーザーネーム、自己紹介文などを設定します。写真や動画を撮影または選択してキャプションとともに投稿でき、ほかのユーザーからいいねやコメントがもらえる機能があります。

ほかにも、24時間後に自動的に投稿が消えるストーリーズ機能や、特定のトピックや関心事に関連する投稿を探すハッシュタグ機能などさまざまです。

また写真や動画の編集機能を提供しており、フィルターやエフェクトを適用することで投稿をカスタマイズできます。ほかの編集ツールなどを使わずに、Instagram内で明るさやコントラスト、彩度などの調整が可能です。

タニタヘルスリンクの健康管理アプリ

ヘルスプラネットのタニタヘルスリンクの健康管理アプリは、健康管理やフィットネスをサポートするためのアプリです。

体重、身長、血圧などの身体的なパラメーター、活動レベル、摂取カロリーなどの情報を記録して、グラフやチャートで可視化できます。これにより、自身の健康状態やトレンドを把握できるようになります。

また、ユーザーのフィットネス活動を追跡する機能も提供しています。ユーザーはウォーキング、ランニング、サイクリングなどのアクティビティを記録し、距離、時間、消費カロリーなどの計測が可能です。

ユーザー同士が交流し、健康に関する情報やアドバイスを共有できるコミュニティ機能も提供しています。グループやフォーラムに参加することで、ほかのユーザーとのコミュニケーションや情報交換が行えます。

クックパッド

クックパッドは、料理レシピを提供して料理のアイデアや手順を共有できるアプリです。

クックパッドでは、キーワードや料理名、食材などを入力し、料理のレシピを検索できます。豊富なレシピデータベースから、カテゴリや料理の難易度などの条件を絞り込むことも可能です。

クックパッド内のレシピを閲覧するだけではなく、気に入ったレシピをお気に入りに保存したり、自分のレシピボックスに追加したりできます。

また自身が作ったレシピをクックパッドに投稿し、ほかのユーザーとの共有が可能です。投稿したレシピには手順や写真を添付でき、ほかのユーザーからの評価やコメントを受け取れます。

PayPay銀行

PayPay銀行は、スマートフォン上で銀行業務を行えるサービスです。

サービス内では、ユーザーは自身の口座を作成して口座情報を確認したり、口座残高や取引履歴、振込先口座の登録など管理したりできます。

また、PayPay電子マネーとの連携が可能です。PayPay電子マネーの残高の確認や、銀行口座間での送金や入金が行えます。

取引や口座に関する通知やアラートを提供しており、入金や出金が行われた際や残高が一定額以下になった際には、アラートが表示されるので不正アクセスがないか確認が可能です。

まとめ

ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリとWebアプリの特徴を組み合わせたものです。ネイティブアプリはプラットフォームに最適化された高パフォーマンスとアクセス機能を提供し、Webアプリはクロスプラットフォームの利便性を持っています。

ハイブリッドアプリのメリットは、開発費用を抑えられること、デバイス固有の機能にアクセスできること、修正作業がスムーズに行えることです。一方、デメリットとしては、ネイティブアプリよりも遅延が発生しやすいことや、使えない機能が存在することがあります。

ハイブリッドアプリの開発事例としては、GmailやAmazon、ZOOM、クラウドワークス、Instagram、ヘルスプラネット、クックパッド、PayPay銀行などがあります。これらのアプリはハイブリッドアプリとして、クロスプラットフォームで利用できる便利な機能を提供しています。

ハイブリッドアプリの開発を検討している方は、本記事でご紹介したメリットやデメリットを把握した上で、理想や条件に合うものを作成しましょう。